ブランドデザインカンパニー「IGI」- IGI Brand Design Partner
IGI Brand Design Partner

理念の「その先」も設計する—— 言葉が日常の中で機能するところまで
Branding Planner 鈴木一澄さんインタビュー

多摩美術大学統合デザイン学科卒業後、社内コミュニケーション施策をプロデュースする事業会社で、インナーブランディングや企業文化づくりに携わってきた鈴木一澄さん。2024年にたきコーポレーションに入社し、現在はIGIのブランディングプランナーとして、企業理念やパーパスの策定から、その浸透設計までを担っています。

イベントやワークショップなど、場づくりを通して組織の変化に向き合ってきた鈴木さんが、今どのようにブランディングと向き合い、何にやりがいを感じているのか。日々の仕事や印象に残っているプロジェクト、そしてこれから描いている展望について話を聞きました。


Speaker

鈴木一澄Izumi Suzuki
Branding Planner
多摩美術大学統合デザイン学科卒業後、社内コミュニケーション施策をプロデュースする事業会社にて、さまざまな企業におけるインナーブランディングや企業文化づくり・組織活性化に携わる。その後、2024年たきコーポレーション入社。ブランディングプランナーとして、パーパスブランディングにおけるプランニングを担当。

一つの場をつくる面白さと、残らないもどかしさ

前職では、社内コミュニケーション施策をプロデュースする事業会社で働かれていたそうですね。どのようなお仕事をされていたのでしょうか。

鈴木:クライアントの周年事業や社名変更、社内表彰式など、会社の節目となるタイミングで社内向けイベントを企画・プロデュースしていました。その中で、私はコンサルタント兼プロジェクトマネージャーとして、与件整理から企画提案、制作全般の進行までを担当していました。制作範囲はかなり広く、イベント当日の運営は外部のイベント会社と連携しながら、企業と制作側の間に立って調整する役割を担っていて、そうした仕事を5年ほど続けていました。

今振り返ってみて、当時のお仕事をどのように捉えていますか。

鈴木:たくさんの人を巻き込みながら一つの場をつくる面白さや、やりがいは感じていました。ただ、たとえばイベントだとどうしても「やったら終わり」になりやすく、成果が見えづらい部分もあって、「このブランディングは今どこに向かっているんだろう」と、自分もお客さんも分からなくなる瞬間がありました。せっかく考えても、目に見える形や長く続く成果につながっていないような感覚というか。もっと形として残るものや、商品や広告につながるブランディングに関わりたいという思いが、少しずつ強くなっていきました。ちょうどそうしたタイミングで、IGIを知ったんです。

理念を「つくる」だけでなく、「使われるところ」まで設計する

IGIのどんなところに惹かれたのでしょうか。

鈴木:「ブランディング・プランナー」という職種に惹かれました。前職でやってきたインナーコミュニケーションや、イベントを通じて社内の変化をつくってきた経験が、もしかしたら活かせるかもしれないな、と感じたんです。

現在は、IGIではどのような業務を担当されているのでしょうか。

鈴木:企業理念やパーパスを策定し、それをどう浸透させていくかまでを一緒に考えるプロジェクトを進行しています。具体的には、社員の方へのインタビューやワークショップ、リサーチなどを通して企業理解のためのインプットを丁寧に行い、それをその後の策定や浸透設計につなげていきます。

策定して終わりではなくて、「この理念をどう日常の中で使っていくのか」「どんな場面で、この言葉が効いてくるのか」まで設計するのが、プランナーの基本的な役割だと思っています。今はコピーライターの方とペアのような形でプロジェクトを進めることも多く、専門性の違うメンバーと一緒につくっている感覚がありますね。

そうした業務の中で、特にやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか。

鈴木:言葉やビジュアルとして形になって、世の中に出ていく瞬間ですね。社員さんが実際に使っているのを見たり、「あのとき、みんなで考えたコピーがサイトに載っている」と気づいたときは素直にうれしいです。ブランディングは息の長い仕事なので、難しさもあります。長くやっていると、「今、どの山に登っていて、その山のどのあたりにいるんだっけ?」と、立ち位置が曖昧になってしまうこともありますが、そんなときにブランドマップを見ながら「今はここですね」と一緒に確認していくのもプランナーの大事な役割だと思っています。


これまで携わってきた中で、特に印象に残っているプロジェクトがあれば教えてください。

鈴木:JR高輪ゲートウェイ駅直結の大規模開発プロジェクト「TAKANAWA GATEWAY CITY」にまつわるプロジェクトはとても印象に残っています。今年オープンした街で、そこで働く人たちの行動指針を考えるというテーマでした。街がまだ完成していない状態から「どんな人たちが、どんな気持ちで働くだろう」と想像しながら何度もワークショップを重ねていきました。

参加している方々の所属や立場はバラバラで、誰も正解を持っていない。そんな中で、少しずつ「こういう街だったらいいよね」という輪郭が見えてきたプロセスがすごく印象的でした。「街」という単位でブランディングに関われたのは、IGIならではの面白さだなと感じました。

向いていなくても、つくるのが楽しい

ここからは少し話題を変えて、鈴木さんのプライベートについてもお聞かせください。プライベートでは、編み物にハマっていると伺いました。

鈴木:実はそうなんです。インスタで編み物の作品を見て、興味を持ったのが最初でした。それに、AIが絵を描くことも当たり前になってきて、「じゃあ、自分は編み物でもやってみるか」と思ったんです。


実際にやってみて、どうでしたか?

鈴木:向いてないだろうなと思いながら始めたら、本当に向いてなくて(笑)。編み物って目数がきっちり決まっていて設計図どおりにやらないと全然思った形にならないんです。でも、やっているうちに「ここがこうなるから、この段階でちゃんと編まないといけないんだ」という仕組みが少しずつ分かってきて、「あ、そういうことか」と腑に落ちる瞬間があって。それが楽しくて、向いてないなと思いながらも続けています。今は糸の色や太さを変えてみたりしながら、いろいろ試しているところですね。

考え続けながら、領域を越えていくチーム

IGIには1年半ほど在籍されていますが、どんな印象を持たれていますか。

鈴木:考えることが好きな人が多いチームだな、という印象があります。何をやるにしても、「それって何のためだっけ?」とか、「それってそもそも……」みたいな発言が、いろんな人から自然と出てくる。悪く言うと、ちょっと面倒くさいくらい(笑)。

その感じは自分には合っていると思います。とりあえず手を動かすというよりは、その前提や目的をちゃんと考えてから動くというスタンスがチーム全体にある気がします。パーパスや理念の策定は、ただかっこいいものをつくるとか、きれいな言葉をつくること自体が目的ではない、という前提があるからなんだろうなと思っています。

鈴木さんから見て、IGIというチームを自由に表現するとしたら、どんな言葉が近いでしょうか。

鈴木:「メッシュみたいなチーム」という表現が近いかもしれません。一人ひとりの専門性はありつつ、きっちり固定されているわけではなくて、状況に応じて伸び縮みしながら隣の領域にも自然と手を伸ばしていく感じがあります。自分の専門性を起点に「ここ一緒に考えよう」と声をかけ合いながらチーム全体で動いていく。その分、いろんな視点からアイデアが出てくるのは大きなメリットだなと感じています。

IGIのメンバーとして、これからどんなふうに成長していきたいですか。

鈴木:理念の策定や社内浸透にとどまらず、広告に展開されたり、オフィスや商品づくりにつながったりと、「この理念があるから、こうなった」と言えるところまで関わっていきたいです。ブランディングの入り口だけでなく、その先でどう使われ、どう広がっていくかまで、一緒に考えていけたらと。今のIGIでは、一人ひとりが専門性を持ちながら、ブランド全体を見渡せる視点を大切にしているのですが、そうした環境の中で、目の前のプロジェクトに向き合いながら少しずつブランド全体を見る感覚を身につけていけたらいいなと思っています。

また、最終的にBtoC企業のブランディングにも携わってみたいです。BtoCの企業のほうが、より多くの人や生活者にどう見られるか、という感度が高く、ブランディングの結果がダイレクトに返ってくる領域だと感じています。より多くの人の目に触れる企業が、どうあるべきかという問いにも向き合ってみたいですね。


取材・執筆:船寄 洋之
写真:喜多村 みか

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