ブランドデザインカンパニー「IGI」- IGI Brand Design Partner
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パーパス×クリエイティブで、ブランディングはもっとうまくいく

今、多くの企業が新たな指針となる「パーパス」に関わる取り組みをはじめられています。
パーパスブランディングを得意分野とするIGIでは、さまざまな企業から「変わりたいけど変われない」「これから踏み出したいが方法が分からない」という課題に対するご相談を多くいただいています。
今回の記事では、約10年間に渡りパーパスを起点にしたブランディングに取り組み続けてきた私たちから、その手法やヒントについてご紹介します。
 
※この記事は12/8(金)に開催したコンテンツ東京2023「広告クリエイティブ・マーケティングEXPO」でのセミナーでのプレゼンテーションを元に再構成したものです。

ブランディングのこれまでとこれから

これまでのブランディングといわれるものは、主にマーケティング戦略の一貫として企業イメージの醸成を担ってきました。しかし、社会の動向が目まぐるしく変化する時代の中で、サスティナビリティ、ダイバーシティ、人的資本経営などを筆頭に、企業が担うべき社会的意義や役割が多岐にわたり、企業が求められる課題も変化してきています。これからのブランディングでは、企業が抱える様々な課題に対応し、社会的な影響力を明らかにすることが求められています。


わたしたちはブランディングを、経済活動を中心としたものではなく、あらゆる企業活動の根幹となって、今よりも明るい未来を実現するための重要な投資と考えています。
下の図のように、さまざまな課題をブランディングというもので一貫して解決していく。その場しのぎでなく、しっかりと指針を持って対応していくことが、非常に重要になってきます。


その指針として昨今注目を集め、ムーブメントにもなっているのが、「パーパス」という概念です。

「パーパス」とは、ブランディングの起点

「パーパス」は経営用語、マーケティング用語では「存在意義」と訳され、企業が宣言する社会的な責任であり、未来に対する揺るぎない決意を表しています。
つまり、あなたの企業はなぜ世の中に存在するのか? 社会にどんなGOODをもたらすのか? といった問いに対する答えを定義しています。

パーパス経営が主流へ

世界を代表するリーディングカンパニーをはじめ、日本の様々な企業も続々とパーパスを掲げ、「パーパス経営」は今後トレンドから主流になると言われています。
また、この大きな流れは組織の枠を超え、わたしたち個人個人が社会の中の一員としてどのように生きるかといったことにも、その影響範囲が広がりつつあります。


ちなみに、2023年に公開された朝日広告社さんの調査結果から、国内企業のパーパスの浸透率は35.9%(引用:2023年3月20日リリース「ASAKOインナーパーパススコア™調査」)、最も多く導入されている業界は「薬剤・医薬品業界」の58.3%でした。全体から見ると、まだまだ65%近くの企業がパーパスを策定しておらず、これからものびていくと見込んでいます。


また、パーパスを策定している企業としていない企業を比べると、売上、利益などがおよそ2倍ほどの差が出ているという調査結果も出ており、単なる概念ではなく、経営の良し悪しを判断するものでもある、とも考えることができます。

策定までのプロセス


「パーパス」の語源には“前に置く”という意味があるそうです。つまり、その先の目的を定めること。企業にとっては、という前提で解釈してみると、自分達のらしさを活かしてなりたい姿を作るということをイメージするといいかもしれません。
これまでの自社の歴史を紡いだ上で、“らしさってなんだろう”“そのらしさを活かしてなりたい姿ってなんだろう”といった面を言語化、そして可視化することが、パーパスを策定することと言い換えられるかと思います。
それでは、パーパス策定の具体的なプロセスについてご紹介します。

らしさ / なりたい姿 の可視化


先ほども触れましたが、まずは言語化と可視化が重要です。みなさま一人ひとりの中にある自社のイメージを言語化していきます。ただし、言語化だけだとどうしても個人ごとの解釈に誤差が生まれてしまう。そういったことを防ぐためにも、立体的に可視化していくことが必要だと考えています。

パーパス策定の道のり


パーパス策定の道のりは平坦なものではありません。
パーパスを策定するプロセスは非常に困難であり、経営層の意見の食い違いや社員の巻き込みの難しさ、議論不足、最終的なプロセスの踏み込みがないなど、さまざまな課題が発生したりします。
自社のことを客観視するのは非常に難しいため、ゴールの姿を想像しながら、複雑な道のりを最短距離で導くガイドパートナーとしての役割が必要です。


「社員ひとりひとり」を主語に

もう一つのポイントについても触れておきたいと思います。それは「社員一人ひとりを主語にする」ということ。パーパスを実現するためには経営者だけではなく「社員一人ひとり」の力が必要です。組織のための「ひとり」ではなく、「ひとり」のために組織が存在する。
パーパスによって「一人ひとり」の隠れた可能性や意思を最大限に引き出し、真に実践できる企業が競争社会の中で生き残っていくのです。


経営層の思いと社員一人ひとりの思い、その両方が重なる部分こそ、パーパス実現の源泉と言えるでしょう。

IGIのパーパスの導き方


これは私たちIGIが採用しているパーパスの導き方の基本概念図です。企業が提供するバリューと社会や顧客から求められるニーズの交わる部分をパーパスと定めています。
もちろんこのシンプルなフレームだけで導き出せるものではないので、様々なフレームを使いながら、議論を深めていくという手法をとっています。

組織に適したプロセスをオーダーメイド

基本的には発散と収束を何度も繰り返していきます。おおよそ半年ほどの期間で策定を目指します。教科書にのっているようなフレームワークではなかなか納得できるパーパスを導くことはできないため、企業ごとにオーダーメイドの設計を行うことがわたしたちの特徴です。
以下はプロセスの一例です。いくつかのテーマを設定しながら、みなさんと議論を重ねていくという流れになります。


言語化のプロセス

収束を重ね、導き出された言葉に対して、最後にパーパスのコピーライティングを行います。それまでの議論を整え、膨らませながら紡ぎだした、魅力的で端的な言葉の中に「らしさ」をぎゅっと詰め込んでいきます。


ここまではパーパスを言語化するまでのプロセスをご紹介しました。
次に可視化について少しだけお話しできればと思います。

真剣さとユーモアを結ぶクリエイティビティ

さて、「らしさの可視化」とはどういうことだと思いますか?
わたしたちは言語だけでは伝わらない世界観を魅力的に視覚化していくことと説明しています。目指しているのは顧客から「へ~。これって◯◯◯◯なんだ。」ではなく「あ!これ◯◯◯◯らしい!」と言われる状態。ブランドイメージが一般的に定着している状態です。
少し話が脱線するのですが、2023年のカンヌ・ライオンの基調講演にて、bbdoのCEOであるアンドリー・ロバートソン氏がこんなことを話していました。

“ 私はパーパスを支持している。
大切で必要不可欠だが、いつもシリアスであるべきだとは思わない。
シリアスに取り組むのをやめ、もう少しユーモアを取り入れて、事業(業績)を推進する時期が来た。”


ユーモアとはただ面白いだけでなく、人々を引きつける魅力や期待感を生み出し、前向きな共感を生む要素となります。したがって、パーパスとユーモアをつなぐためのクリエイティビティが今後ますます重要となるでしょう。
言語化されたパーパスに、ユーモアやクリエイティビティを加えていくことで、イメージを立体的にかたちづくり、印象的なものにしていくことができるのです。


まとめ

この記事では、ブランディングとパーパスに焦点を当て、企業のこれからの起点となりうる要素を探るとともに、IGIで取り組んでいるパーパス策定までのプロセスをご紹介しました。
ブランディングはもはや企業のアイデンティティと社会的影響力の核となっています。特に、注目を集める「パーパス」は、企業がなぜ存在し、どのような価値を提供するのかを明確に定義し、可視化することで社会的な価値や存在意義を明確にすることに直結していきます。
統計データからも、パーパスを掲げる企業が経済的な成功に結びついていることが示されました。そして、パーパスの策定においては、経営層と社員の個々の思いが交わり、企業の独自性が可視化されることが重要なポイントとなります。
IGIでは、「ブランドデザインパートナー」として、確かなクリエイティブ力としなやかな思考でパーパスの策定から可視化、浸透施策まで一貫して伴走させていただきます。
ブランディングやクリエイティブについてお悩みの場合、まずはご相談ください。

 
> IGIのブランディング事例はこちら https://igi.taki.co.jp/case






筆者|井上 元気

IGIカンパニー代表 / Branding Producer
2009年TAKI CORPORATION入社。
ナショナルクライアントをはじめさまざまなクリエイティブ案件に携わる。たき工房のブランディング事業の立ち上げに携わり、プロデューサー兼プランナーとして、ブランディング案件全体の企画や進行等を一貫して担当。2023年にブランディング領域に特化した社内カンパニー「IGI」の代表に就任。


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