IGIでお仕事をされるようになったきっかけを教えてください。
阿部:私、もともとグラフィックデザインをやっていなかったんです。学生時代、テレビドラマを見ている時、ストーリーに合わせた空間作りや登場人物に合わせた部屋の装飾などに興味を持ったことをきっかけに、舞台美術の道に進みたいと思い、美術大学で空間デザインやプロダクトデザインを学びました。ただ、就職活動がうまくいかず、卒業後は親の紹介でデザイン会社のアルバイトをしていました。そこはマンション広告を主に制作している会社で、大学時代に学んだCADの使用経験が多少役立ちましたが、業務自体はグラフィックデザインが中心。現場で少しずつグラフィックデザインの基礎を身につけていったのが最初です。
本格的にグラフィックを学び始めたのは、社会に出てからなんですね。
阿部:そうなんです。その後、何度か転職し、さまざまなデザイン経験を積み重ねていきました。なかでもIR(投資家向けの広報資料)を作る会社ではロゴデザインを手掛けるようになり、手応えを感じるようになっていきました。ちょうどその頃、1社目の同僚に紹介してもらった広告業界に強い転職エージェントから「ロゴデザインのチームで人を募集している」と教えてもらったのがたき工房(たきコーポレーションの前身)との出会いで、以来、10年以上在籍しています。