ブランドデザインカンパニー「IGI」- IGI Brand Design Partner
IGI Brand Design Partner

企業の本質に寄り添い、信頼を積み重ねるブランディングを
Art Director 木野村繁則さんインタビュー

2000年にたき工房へ入社し、現在はIGIのVIラインでアートディレクターを務める木野村繁則さん。ロゴやマニュアル制作をはじめ、広告や動画など幅広いアウトプットを手がけながら、企業に深く寄り添ったブランディングを実践しています。
今回は、仕事に向き合う姿勢や印象的なエピソード、そしてIGIのこれからについて伺いました。


Speaker

木野村 繁則Shigenori Kinomura
広告代理店を経て、2000年たき工房入社。ディレクターとして広告をはじめ、企画からデザインまでさまざまな分野のクリエイティブディレクションを行う。現在VIチームのチームリーダーとして多くの企業のVI開発に携わる。

対話から始まる、本質に迫る提案

現在はVIラインのアートディレクターを務めていらっしゃいますが、実際にはどのようなお仕事をされていますか?

木野村:基本的には、プロジェクトが立ち上がる前の商談の場面から関わることが多いです。最初の窓口として関わり、提案がまとまると、チームで取り組みを本格化させます。私の場合、VIを軸にしながらも、もともとクリエイティブ畑出身ということもあり、アウトプットに関する部分にも多く携わっています。

具体的には、どういったアウトプットを?

木野村:まずはロゴをつくり、そこからルールを定め、マニュアルを整備します。これがVIの核になります。その先には、広告やキービジュアル、ツール制作、そして最近ではブランディング動画などへも展開しています。VI設計とアウトプット制作、その両方を行き来しながら、案件ごとにバランスを取りつつ進めていますね。

これまでの​ご経験を​通じて、​自然と​身に​ついた​“らしさ”のような​ものは​ありますか?

木野村:自然と大切にしているのは、“コミュニケーション”かもしれません。クライアントとの対話こそが、すべての起点だと考えています。企業の本質に触れるような提案ができるかどうかは、どれだけ相手の想いを受け止められるかにかかっている。そうしたやり取りを丁寧に積み重ねていくことで、結果的に長くお付き合いが続くことも少なくありません。表面的なデザインではなく、「このクライアントは何を大切にしているのか」を一緒に掘り下げていくようなプロセスを、何よりも大切にしています。

さまざまなプロジェクトに携わってこられたと思いますが、特に印象に残っているお仕事はありますか?

木野村:これまでにさまざまなグローバル企業の仕事に関わらせていただきましたが、特に某住宅メーカーとの仕事は強く印象に残っています。10年以上にわたって携わっていたのですが、学ぶことが本当に多かったですね。

あるとき、私が制作したカタログを見て「ここに住みたい」と言って家を購入された方がいたんです。しかも、その方は物件を実際に見ることなく、カタログだけで決めたと聞いて。自分がつくったものが、誰かの人生の大きな選択の一助になった。それを知ったときは、心の底から嬉しかったですね。苦労した仕事だったからこそ、なおさらでした。

それはすごい話ですね。家って一生に一度の大きな買い物ですから。

木野村:私たちの仕事は、クライアントのためだけでなく、その先にいる“誰か”のためにもあると思っています。その人がどんなふうに感じてくれるか、どう動いてくれるか。見る人の感情が動くかどうか。そういった“届く実感”があると、本当にやっていて良かったなと思えますね。

花がもたらす、笑顔と心のやすらぎ

少しプライベートのお話も​教えてください。最近ハマっていることはありますか?

木野村:ガーデニングですね。ちょっと言い方はかっこいいですが、実際は地味に庭の手入れをしています(笑)。この前は、木を10本くらい自分で伐採しました。

10本も!? ご自身で!?

木野村:はい(笑)。特にこだわりのある植物があるわけではないのですが、学生時代、花屋でアルバイトをしていたことがあるんです。花屋って、来る人がみんな笑顔なんですよね。誰かに贈るときとか、自分を癒やしたいときとか。そういうポジティブな理由で訪れる人ばかりで、その空気感がすごく好きでした。

今も庭に花を植えています。花が咲いているだけで気分が変わるし、心が整うというか、すごく穏やかな気持ちになるんです。誰かに贈る花も、自分の庭に咲く花も、人の気持ちをやわらげてくれる素敵な存在だと感じています。

“パーパス”と“VI”の先へ──ブランディングをもっと広く深く

ではお仕事に戻って……「IGI」というチームは、どんなチームですか? 抽象的な表現でも構いません。

木野村:色で言うなら、“虹色”でしょうか。ひとつの色では表せない、多様な個性が集まっているチームだと思っています。デザイナー、プランナー、コピーライター、プロデューサー、ウェブディレクター、PR……さまざまなバックグラウンドのメンバーがいて、それぞれが明るく、前向きで、志が高い。そんなポジティブな空気が、自然とチーム全体を彩っているように感じています。

所属チームである、VIラインの特徴についても教えてください。

木野村:メンバー全員が、VIに対して深い専門性と強い覚悟を持っていることが、何よりの特徴だと思います。たとえば、デザイナーがVIを制作する際には、企業の本質を丁寧に掘り下げたうえで、耐久性・運用性・視認性といった要素をすべて計算してかたちにしていく。それが企業や組織の“顔”となるものだからこそ、責任も非常に大きい。でも、そのぶん、やりがいもとても大きいんです。

マニュアル制作ひとつ取っても、高度な知識と経験がなければつくれないような複雑な内容が多くあります。それを“当然のように”丁寧かつ的確にやり遂げるメンバーが数多くいることに、日々刺激を受けています。このチームで仕事ができることを、本当にありがたく感じています。

これから、IGIはどんなチームになっていけたらいいと思いますか?

木野村:今も少しずつ変化している最中ですが、今後は“トータルでブランディングを手がけられる組織”を目指していきたいと考えています。現在は「パーパスブランディング」と「VI開発」という2つの強みが軸になっていますが、ブランディングというものは、企業や個人によって捉え方が本当にさまざまです。これからはそういった多面的で奥行きのあるブランディングの世界に、さらに踏み込んでいきたいと思っています。

そのためには、第二・第三の柱が不可欠です。より多様なスペシャリストと連携し、チームとしての表現力や提案力の幅を広げていけたらと考えています。現在もたきコーポレーションの他カンパニーと連携しながら取り組んでいますが、今後はその体制をさらに強化しながら、これまで手が届かなかった領域にも積極的に挑戦していきたいですね。


取材・執筆:船寄 洋之

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