2011年にたきコーポレーションに入社し、現在はIGIでウェブディレクター兼プロデューサーとして活躍する山田久貴さん。要件整理から制作進行、クライアントとの調整まで、プロジェクトの全体を見渡しながら、現場の“指揮者”として、また信頼される“伴走者”として、日々チームと走り続けています。
そんな山田さんに、日々の仕事や、印象に残っているプロジェクト、そしてIGIとして描くこれからの展望について伺いました。
プロデューサー部門では部長という立場で、チーム全体を見る立場でもあります。普段、どのようなスタンスでメンバーと接していますか?
山田:基本的には放任主義ですね。プロデューサーって、個人商店のような側面があるので、聞かれてアドバイスする役割が多いです。メンバーからslackのDMで質問がきて、それをなるべく早くレスをする。判断は本人。ほぼ「Yhaoo!知恵袋」みたいな(笑)。
それは「自分で考える力」を持ってほしいから。僕自身も誰かから丁寧に教わってきたというよりも、自分で試行錯誤しがら学んできたので、自分のやり方でやってみてほしいと思っています。
プロデューサーとして、特にやりがいを感じる瞬間は?
山田:元々たきコーポレーションのプロデューサーって、プロジェクトにおいて司令塔的な役割を担うことは少ないんです。制作チームがしっかりしていれば、プロジェクトはちゃんと進んでいきますから。でもだからこそ、自分としては「山田さんがいるから」と言っていただけるような存在感を出していきたい。ブランディングは、一つひとつの言動が企業の信頼に直結する仕事なので、会社として信頼してもらうために、まずは自分が信頼されるようなプロジェクトの進行を心がけています。責任の重さはありますが、その分やりがいも大きい。関係性が深まることで、プロジェクトのスケールが広がっていく点も、この仕事の面白さですね。
パーパスの策定では、ワークショップのファシリテーションなどもされたのですが?
山田:このプロジェクトでは、インタビューを重ねて策定したので僕はやってないですね。
ファシリテーションという面でいうと、もう1つ思い出しました。こちらも出向時代に経験したもので、採用ブランディングのプロジェクト。パーパスの役割を持った採用コンセプトを提案しました。
初めての経験だったので、同僚の皆さんに教えてもらいながら、ワークショップ設計をして、当日のファシリテーションをなんとかこなしたことをよく覚えています。難しかったのが、その後の合意形成ですね。ワークショップ当日はクライアントの皆さんも、熱量をもって喜んでもらえるのですが、後日それをまとめたものを提案する際にはちゃんと冷静になっている中で、納得してもらうために何度か提案しました。
そんなIGIを、あえて何かに例えるとしたら……?
山田:うーん……ちょっと例えではないですが、願望としては、サッカーのビエルサ監督みたいなチームでありたいですね。
ビエルサ監督は、アルゼンチン出身の名将で、戦術への異常なまでのこだわりや、選手一人ひとりを徹底的に分析するストイックさで知られています。
山田:彼は「サッカーには125パターンしかない」と言っていて、その限られた中で、どれだけプレーの精度を突き詰められるかにこだわっているんです。僕も、「ブランディングって実は〇パターンしかない」と言えるくらいまで型を突き詰めて、その上で、新しいルールや価値観を生み出せるようなチームをつくっていきたい。それが僕の理想ですね。
最後に、今後の目標を教えてください。
山田:個人的には、とにかくメンバー全員が納得のいく評価を得られるように、しっかりと売上をつくること。それが絶対条件だと思っています。そこをクリアしない限り、誰も幸せにはなれない。ビジネス的な成功は、自分にとって一番大きなミッションのひとつです。
また、IGIとしては、人の流動性が今後はもっと高くなると思っています。良くも悪くも、人は増えるし、減る。もしかしたらコアメンバーの中にも、離れる人が出てくるかもしれません。でも、それは悪いことじゃない。むしろ、ビジネスマインドに共感できる人たちがまた集まって、より強くなっていけたらいい。創業当時の想いや核は、少しずつ変化していくかもしれないけれど、それが気にならないくらい、爆発的に成長できたほうが、仕事はきっともっと楽しくなると思っています。