ブランドデザインカンパニー「IGI」- IGI Brand Design Partner
IGI Brand Design Partner

独自のワークショップで、唯一無二の企業価値を可視化する。
IGIのパーパスブランディング

IGIのブランディングで大切にしていることは「ワークショップを用いたパーパス(=存在意義)の導出」です。IGI独自のブランディングのプロセスとは?なぜパーパスブランディングでワークショップが重要なのか?
本記事では、パーパス策定を担う部署を束ねる部長でコピーライターの山田季世さん(以下山田)と、ブランディングプランナーの橋本奈加子さん(以下橋本)にお話を伺いました。

Copywriter

山田 季世Kiyo Yamada
アーティストの専属ライター、大手出版社での広告企画営業、広告制作プロダクションでのコピーライターを経て、たき工房に入社。
あらゆる業界・ジャンルのコンセプト開発からプロモーション企画までトータルに携わりながら、2014年からは企業のパーパスや理念策定等、ブランディング分野に広く携わる。

Branding Planner

橋本 奈加子Nakako Hashimoto
武蔵野美術大学空間演出デザイン学科ファッション専攻。
在学中は、時間とともに変化する空間の在り方、つくり方を通して、人やものが纏う空気のデザインを学ぶ。
2019年にたき工房入社後は、デザイナー兼プランナーとしてデジタルネイティブの感性を生かし、現代のニーズを捉えた企業のブランディングに取り組んでいる。

IGIは少数精鋭のクリエイター集団。
プロジェクトごとに形成するスモールチームで挑む

まず、ブランディングを進めていく上で、それぞれが担う役割について教えてください。

山田:私はコピーライターをしております、山田です。一般的にコピーライターという職業から最初にイメージされるのは、広告物のコピーを書くことだと思います。けれども、IGIのコピーライターは企業の理念やパーパスなどの言葉を紡いでいく仕事が中心です。
目指しているのは、従業員の方々がストンと腹落ちする言葉をつくること。その組織に属する人、1人ひとりに届けるつもりで、クライアントと共に考えていきます。企業理念やパーパスを策定した後、次の段階で、一般の生活者に向けての広告コピーを書くこともあります。

橋本:私は、ブランディングプランナーという肩書きで働いています。企業のブランディングを中心に、パーパスを定義、再定義していくプロセスを設計し、導く役割ですね。
具体的には、パーパスを策定するために、アンケートやインタビュー、ワークショップの設計や運営、ファシリテーションを担当しています。ワークショップでアイデアを発散させた後、言葉やビジュアルなどのクリエイティブに落とし込んでいきます。その段階で、ブランディングの軸がぶれないように、プロジェクトの司令塔として納品まで、社内のクリエイターと並走しています。

IGIはどんな体制で動いているんですか?

山田:IGIは少人数のカンパニーですが、ブランディングに関する要件定義からクリエイティブの制作まで一気通貫して担えるというのが強みです。私の部には、コピーライターの他に、ブランディングプランナー、ブランドアーキテクト、アートディレクター、ブランディングディレクターが働いています。プロジェクトごとに体制を決め、チームで動くことが多いです。クライアントの要望に柔軟に応えるために、たきコーポレーションのルーツであり、強みでもあるクリエイティブ制作のノウハウを生かしながら、カンパニー間で連携して、プロジェクトを進めていけることが強みのひとつですね。

クライアントに合わせたプロジェクトは、どんな風に設計していくのでしょうか?

橋本:企業の規模や要望などにもよりますが、経営層の方々へのインタビューや各部署のキーマンへのヒヤリングを行い、ワークショップを行うために、まずは、何日間、どんなメンバーで実施することが可能か、担当者の方と話し合って詰めていきます。

山田:よくご依頼いただく案件には、大きく2つのパターンがあります。それに応じて、プロジェクトはカスタマイズすることが多いです。

ひとつは、パーパスの策定や企業理念の見直しのご依頼です。例えば、周年を機に、ブランディングに取り組みたいというご要望をいただいたときは、こちらから「パーパスをつくり、それを軸にブランディングを行うのはいかがですか?」とご提案する場合もあります。

もうひとつは、既に刷新した企業理念やパーパスがあり、それを浸透させるためのご相談です。社内でのエンゲージメントを高めるにはどうすればいいか、その方法をご提案するケースもあります。

クライアントからの要望も、各社違いますよね。

橋本:社員のモチベーションが下がる何かがあった時に改めて社内の機運を高めていきたいというケースもあれば、売り上げは順調で特に問題もないけれど、今後のためにもよりよくしていきたいというケースもあります。


バリューとニーズを明らかにする!ワークショップの意外な効能

ワークショップの設計についても教えてください。

橋本:多くの企業が、「自分たちのここは変えたい、ここは変えたくない」という感覚をお持ちなので、まずそれを見極めていきます。例えば、変えたいことが明確ではあるものの「自社の価値において社員間の認識統一がされていない」または「再定義する必要がある」場合には「自社をみる」というテーマでワークショップをすることもあります。一方で、外側の目線で自社をみつめていくということも必要です。
「バリュー」と「ニーズ」というふたつの視点で表現します。

・「バリュー」:自分たちが胸を張って提供できる価値や姿勢のこと

・「ニーズ」:社会やお客様から求められること


その両方がかけ合わさるところに、その企業が大切にすべきことがあるんです。


橋本:ワークショップの設計にはいろいろな工夫があります。例えば「人選」。年齢、部署、役職など、バランスの良い構成になっているか配慮します。会社のビジョンに対して前向きな人だけでなく、客観的に「批評できる人」が選ばれているかも重視しています。

山田:あるいは、その企業の課題が「課長などの役職に、理念の浸透ができていない」というような場合には、部署を横断して同じ役職でワークショップを行うこともあります。いくつかの種類のワークショップを組み合わせることもありますし、その時々に応じて、最適な設計を行います。

IGIで掲げているのは、クライアントにとって「伴走する」パートナーであることです。それを象徴的に表すもののひとつが、このワークショップの時間だと思っています。進行をリードしても、何かの正解を私たちが一方的に提示するわけではありません。伴走するとは、つまり、一緒に考え続けること。その時間を共有し、プロセスを経験の場にすることを大切にしています。


パーパスを起点にブランディングを行うIGIの強みは?

橋本:IGIのメンバーは、全員がクリエイターです。そのため、課題に対して、意見を言うだけではなくて、自分ごととしてあらゆる角度から「アイデアを出していける」人たちが集まっていることは、強みの1つだと思います。

ワークショップをするときも、各グループに必ずひとりはIGIのメンバー(クリエイター)が入ります。組織を構成しているのは、当たり前のことですがみんな同じ人間です。
何事も人と人のコミュニケーションは必要で、1人ひとりの社員がどんな気持ちでいるのかを知ろうとすることも重要です。
やはりロジカルだけではなく、直感的に人間を見ることも大切にしています。

ワークショップに初めて参加する方々も多いはず。
人前で話すのが苦手、思っていることを言葉にできないという方もいるのでは?

橋本:ワークショップに苦手意識のある方も参加していただきやすいように、開始前のルールの共有やアイスブレイクはしっかり行っています。「いきなり付箋とペンを渡されてもどうしていいかわからない」という方もいらっしゃるので、少しクリエイティブな遊び心あるレクチャーを行ってから本編を始めたりもしますね。
あと、ワークショップの時間内は、役職に関わらず、ニックネームで呼び合い、フラットに発言しやすいようにもしています。思ったことを言葉にすることが得意でも不得意でも平等に発言できるように、事前に意見を「書く」時間をとり、書いたものを読む方式で進めることもあります。

山田:ワークショップは、自由に発言することを求められるイメージがありますよね。IGIの場合は、進行方法をはじめ、しっかりとワークショップが設計されているので、私たちに委ねていただいて大丈夫です。話すのが得意か不得意かは関係ありません。安心して取り組めるように工夫しています。

ワークショップの成果は目に見えづらいかと思うのですが、どのような形で現れるものでしょうか?

橋本:プロジェクトは、企業内の部署を横断して取り組みます。日頃の仕事で、そういった機会自体が少なかったりしますよね。そのため、今まであまり深く関わったことがなかった他部署で働く人たちの会社に対する考えや、仕事に取り組む姿勢などを知ることができ、横のつながりができるというメリットがあります。

山田:ワークショップを通じて初めて話した人同士で、食事に行ったというお話を後から聞くこともありました。参加した1人ひとりが自身の会社のことを話せる仲間同士になっていく。そんなきっかけにもなります。
企業の大切な何かを決めようという時に、トップダウンかボトムアップかではなく、ひとつだけの正解でもなく、さまざまな意見から最適解を共に導いていく手法がワークショップです。その過程では1人ひとりが、自分の会社について、そしてそこで働く自分について考えます。つまり、ワークショップ自体が、「理念の浸透」の場になるので、それは大きな成果であると思います。
例えば、ワークショップに20人参加したとします。その20人が、自分の言葉で会社の価値を語れるようになり、社内のインフルエンサーになることが理想です。ブランディングを継続していくためのリーダーたちをつくる場として、ワークショップが機能することを目指しています。

橋本:他には、ワークショップに取り組んだことで、想定していなかった新規事業が生まれたという企業もありました。理念が社員に腹落ちしていたからこそ、ビジネスチャンスに気づき、「今これをやるべき!」という声が上がったようです。

なぜ、パーパスブランディングが重要? より自由に、より「らしく」企業が羽ばたくために

ワークショップやパーパスブランディングに取り組みたい場合、どのようにご相談すればいいですか?

橋本:いくつかプランがあるので、企業に合わせて設計します。まずは、最初に社内アンケートから実施することが多いです。そのアンケート結果によって、どのくらいの期間で、どんなことに取り組むか設計し、具体的にご提案いたします。

山田:一緒にパーパスブランディングに取り組んできた企業や、5、6年お付き合いしてきた企業は、パーパスを起点に新商品やサービスの開発に取り組まれています。パーパスは決めると急に企業文化が変わったり、劇的な成果が現れるというものでもありません。でも、理念が腑におちて行動に結びつくと、チームが変わり、会社が変わり、未来がよくなっていく。それは、これまでの経験から確信しています。指針があると迷ったときに立ち戻ることができ、照らし合わせて考えることができる。そんなブレない軸ができるのは、企業にとって大きなことだと思います。

橋本:ワークショプは1回4時間くらい行うこともあります。それをご提案すると、「え、そんなに長いの?」と驚かれることも少なくありません。ただ、終わってみると「あっという間でした!」という声をいただくことは多いんです。そうやって時間を共にしていく過程にも、さまざまな意義があると思っています。

山田:そう!時間はかかっても色んな意味で近道だったりもします。
「私たちはそれぞれが自由にやっているのが強みなので、パーパスを決めなくても大丈夫。新しいルールも増やしたくない」とおっしゃる企業もありますが、パーパスは「枠」ではなく、「中心」になるもの。その軸から、いくらでも外へと広がって行ける。そんな指針なんですよね。
私たちIGIのパーパスは「今より明るい未来を 人と企業とともにデザインする」です。これからもクライアントのパートナーとして、ブランディングのお手伝いをしていけたら、と思っています。

【まとめ】
 ・ブランディングカンパニーIGIの企業ブランディングは、ワークショップを通じて、企業の「パーパス(=存在意義)」を策定することを大切にしている
 ・バリュー(=自社の価値)とニーズ(=社会や顧客からの需要)のかけ合わさるところに、その企業が大切にするべきことがある
 ・アンケートやインタビュー、ワークショップの設計や運営、ファシリテーションなどの上流から、発散されたアイデアや言葉をもとにビジュアルに落とし込んでいくクリエイティブ制作まで、一気通貫して行う。社内の少数精鋭チームで担当できることがIGIの強みである
 ・ワークショップを通じて、自社の価値を自らの言葉で語ることができる社員が増え、働きがいの増進、業務フローやコミュニケーションの改善、新規事業発案などにつながっていくケースもある
 ・「パーパス」とは、ルールや枠ではなく、企業の中心核のようなもの。共有できる指針を持つことで、企業の成長や発展につながる。

テキスト:篠田栞 編集:西山薫


> IGIのブランディング事例はこちら https://igi.taki.co.jp/case

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